コラム

2024-09-25 横浜市にある空き家の現状は?空き家の活用方法と管理方法を解説

神奈川県内で最も人口が多い横浜市は、住みたい街ランキングでも常に上位に入る人気のエリアです。誰もが住みたい街であっても、所有者の高齢化や相続などの問題により、活用されていない空き家は多くあります。人気のエリアだからこそ、空き家の活用方法を知っておけば、有効に活用できるでしょう。この記事では、横浜市にある空き家の現状や活用方法、空き家の維持管理についてご紹介します。 

◎横浜市にある空き家事情 

横浜市は、神奈川県の県庁所在地であり、2024年時点で人口が約370万人にもなる政令指定都市です。多くの鉄道路線が運行しており道路網も充実しているため、通勤やお出かけなど都内へのアクセスがしやすく、都会的なイメージを持っている人も多いでしょう。そのような便利な面だけでなく、横浜市には公園や山、海など自然に触れられる場所も多く、暮らしやすい点も人気の理由のひとつです。このような人気エリアの横浜市であっても、住む人がいない空き家が多く存在しています。
 
平成30年の調査によると、横浜市にある空き家の総数は178,300戸となっています。そのうち戸建て住宅が27,800戸、共同住宅が150,500戸です。空き家にはいくつかの種類があり、別荘などの日常的には使用されていない二次的住宅も含まれています。さらに、賃貸用として入居者を募集している住宅や売却する予定の住宅などもあります。そのような住宅を含めない、誰も住んでおらず活用方法も決まっていない空き家は、その他の住宅と分類されています。活用方法が決まっていない空き家は、横浜市内に20,200戸ほどあり、そのうち損傷が進んでいる家屋も6,400戸ほどあるのが現状です。空き家になってしまう大きな理由は、所有者の高齢化といわれています。所有者が高齢になって、施設に入ったり家族と住むなど状況が変わり、所有者が不在になってしまうケースが多くあります。横浜市では、空き家予備軍ともいえる戸建て住宅に住む高齢者のみ世帯の調査も行われています。そのような世帯は、調査時点で181,400世帯ほどあり、増加傾向にあることがわかっています。 
 
横浜市でさらに細かく区ごとに行われた調査では、戸建ての空き家数が多い区は、1,850戸の港北区、1,710戸の旭区、1560戸の南区という結果が出ています。戸建て住宅の数が多いと空き家も多くなる傾向にありますが、住宅数に対する空き家率の調査では、西区が4.5%、中区と南区が4.4%という結果になっています。管理が行き届いていない放置された家屋は、庭の植木が近隣に侵入する問題やごみの不法投棄、不法侵入などさまざまな問題が起きます。行政が近隣住民から相談を受けるケースも多く、そのような家屋は空家法にもとづいて管理不全空家や特定空家などに指定され、行政から指導を受ける場合があります。数と割合がともに多い南区では、管理不全空家の相談数と特定空家数がともに多い傾向にあるという調査結果が出ています。放置されている家屋の数に比例して管理に関する問題も生じてしまうことが、調査結果から読み取れます。 

◎横浜市での空き家の活用方法 

横浜市での空き家の活用方法
横浜市には、空き家の所有者や管理者からの相談を受け付ける窓口があります。法律や税金などが関係する専門的な相談に関しては、専門家団体の紹介なども行っているため、早めに相談することが大切です。空き家をそのまま放置するのではなく、早めに今後の活用方法を決めておくと、管理の手間や時間を削減できるでしょう。

〇賃貸 
空き家の活用には、第三者に貸すという方法があります。賃貸にすれば、家屋を手放さずにそのまま活用できます。戸建賃貸だけでなく、貸店舗や民泊、シェアハウスとして賃貸することも可能です。家屋に損傷などがなければ、クリーニングをするだけで貸し出しできる可能性があります。家屋が古い場合や故障箇所などがある場合は、リフォームしてから賃貸として活用します。地域貢献に関わる施設を設置する目的でリフォームする場合など、ケースによってはリフォーム代金の補助金が出る場合もあります。ほかにも、家屋を解体して更地にした状態で、駐車場にしたり土地として貸し出すといった活用方法もあります。賃貸としての活用方法は、収入を見込める点がメリットです。一方で賃貸にする場合は、どのような方法であっても賃貸物件として管理する必要が生じてきます。

〇売却 
売却も空き家の活用方法のひとつです。売却すると、管理の手間や税金の支払いなどが必要なくなります。また相続のために空き家を現金化する必要があり、売却するケースもあります。家屋をそのままの状態で売却する場合は、リフォームや解体をする手間や費用がかかりません。家屋を解体して売却する場合は、家屋付きの土地よりも高く売却できる場合もあります。しかし解体費用が発生するため、家屋の解体だけでなく、庭木やブロック撤去など、すべてにどれくらい費用がかかるか、注意が必要です。築年数が長く耐震性が低い住宅など、解体費用に関する補助金を受けられるケースもあります。 

〇地域での活用 
横浜市には、空き家活用のマッチング制度があります。空き家を使ってほしい人と空き家を使って地域活動をしたい人をつなげる制度です。増加傾向にある空き家を活用する市の対策として、地域交流の拠点や子育て支援を行う施設として空き家を利用したい団体や事業者を紹介しています。空き家を利用してほしい場合は、横浜市の空き家の総合相談窓口で相談と登録を行います。両者の合意が得られれば、地域活動の場として活用してもらうことができます。空き家をまだ手放したくないものの、管理していくのも難しい場合に活用できる方法です。 

◎活用方法が決まるまで空き家を管理する 

活用方法が決まるまで空き家を管理する
空き家の活用にはさまざまな方法がありますが、所有者や相続などの問題によって、活用したいと思ったときにすぐ実行できるわけではないかもしれません。空き家になる前に、家屋や土地の所有者を確認しておくことが大切です。名義人が祖父母の代から変わっていないなど、手続きが大変になるケースもあります。また自分が住まなくなったあとのことについて、考えておくことも大切です。所有者が施設などに入った場合、子どもや親族が相続していないため、今後のことを決められずに放置されてしまう空き家もあります。また相続したとしても、すぐにどうするか決められないかもしれません。 
 
すぐに活用方法を決められない場合も、空き家を放置せずに適切な管理をする必要があります。放置したままの空き家には、さまざまなリスクが生じます。家屋の老朽化がそのひとつです。家屋は、住む人がいないと劣化や損傷が進んでしまいます。閉め切られたままで定期的に空気の入れ替えをしないと、湿気やホコリがたまります。その結果、壁や床、天井などの建材が劣化したり、ドアのゆがみやカビなどが生じやすくなります。また人がいないため、害虫やネズミが住みついたり、シロアリが発生してしまう場合もあります。室内の劣化だけでなく、外壁や屋根の劣化、庭の草木が伸びすぎてしまうといった問題も生じます。さらに空き家だとわかると、庭にゴミを不法投棄されてしまったり、知らない間に不法侵入されてしまうというリスクもあります。 
 
空き家の管理不足によってこのような状態になってしまうと、いざ賃貸や売却をしようとする際に、資産としての価値が下がってしまいます。賃貸のためにリフォームする必要が生じたり、売却したくても買い手がつかないケースもあるため注意が必要です。また伸びた庭木が近隣の住居に侵入してクレームが出る、不法投棄されたゴミによるニオイ問題など、近隣とのトラブルにつながってしまうリスクもあります。このように、衛生面や治安面で影響がある、また景観を害するなどと見なされると、行政から指導を受ける管理不全空家や特定空家として認定されてしまうケースもあります。 
 
空き家の所有者や管理者は、定期的に空き家を訪問して換気や掃除を行ったり、庭木の手入れを行うなどの管理をする必要があります。定期的にチェックしておくなら、水漏れや損傷なども早めに対処して、空き家の状態を維持することができます。管理しなければならない空き家があっても、遠方にあったり忙しかったりすると、定期的に訪問して自分で管理するのが難しいケースもあるでしょう。そのような場合は、空き家を管理するサービスに依頼する方法があります。

◎横浜市の空き家管理サービス なら「横浜ゼロ空き家管理」

横浜市の空き家管理サービス なら「横浜ゼロ空き家管理」
横浜ゼロ空き家管理では、横浜市を中心に神奈川県や東京都エリアの空き家管理サービスを行っています。空き家管理サービスは、実際に現地を訪問して見回りや清掃などを行うサービスです。また災害時など緊急点検が必要な事態が生じたときには、無料点検のサービスも行っています。屋外や屋内の点検、換気や通水、郵便物のチェックなどサービス内容や訪問回数は、家屋の状況やお悩みに合わせてお選びいただけます。不動産管理業務に関する高い専門性があり、地域密着型の不動産会社なので、安心して管理をおまかせいただけます。管理だけでなく、売却やリフォーム、解体などその後の活用までワンストップで対応しています。 

◎まとめ 

人口の多い横浜市には、20,000戸以上もの活用されていない空き家が存在しています。空き家数が多い区では、近隣住民からの相談件数や行政から指導を受ける特定空家に指定されている家屋も多くなっています。賃貸や売却、地域のマッチングサービスを利用するといった活用方法がありますが、活用方法を決定するまでは適切な管理が必要です。定期的に訪問したり空き家管理サービスを利用するなどして、適切な維持管理を行いましょう。