コラム

2025-01-29 空き家となっている実家を貸して賃貸収入を得るには

「実家が空き家状態になっており、今は仕事の都合で住めないが、いずれは実家に戻って暮らしたい」
「転勤で海外に行くことになり、しばらく帰ってくる予定がないので家が空き家になってしまう」
「親が施設に入ることになり実家が空き家になってしまったが、相続について何も決まっていない」
 
…このように、家が空き家になってしまう理由はさまざまです。自分にはまだ関係のない話だと思っていたら、親や親族が急に亡くなり、相続人が自分になっていた!という話も珍しくはありません。
 
実家とは別に家を持っていて今後も戻るつもりがない場合は売却という方法もありますが、いずれ戻って住む可能性がある、または今後の相続について何も決まっていない場合など、とりあえず空き家状態にしているという方も少なくないのではないでしょうか。

しかし長い間空き家にしてしまうと、家が傷みやすくなったり、泥棒に入られたり放火されるリスクなどデメリットが多く、おすすめできません。維持費や税金等も重くのしかかってきます。しかし誰かに家を貸して家賃収入を得るという方法で、それらの問題を解決できる場合があります。
 
ここでは、家を貸すための準備や手順について、また注意点やメリット・デメリットについて、詳しくご紹介していきます。

◎家を賃貸に出すには3つの管理方法がある

一般的に、家を他人に貸し出すときには賃貸契約を交わす必要があります。知り合いのつてなどで、ハッキリした契約も交わさないまま人に貸したりすると、後々トラブルにもなりかねません。まずは管理方法についてしっかりとした知識を持つことが大切です。
 
〇自主管理
その字の通り、家の持ち主自身で管理をするのが「自主管理」です。管理会社などを通さず、すべて自分で管理するので一番コストがかからない方法です。しかし、入居者募集から賃貸契約、設備の修繕や住人との間で起こったトラブルなど、すべて自身で対応しなければいけないため、忙しい方や遠方に住んでいる方が自主管理という方法をとることはおすすめできません。
 
〇委託管理(一般管理契約)
委託管理とは、不動産管理会社に賃貸物件の運営・管理を委託することです。不動産管理会社と委託契約を結ぶ際には、大きく分けて2つの種類があり、そのひとつが「一般管理契約」です。入居者募集から契約、クレーム対応などの賃貸業務全般を管理会社に任せる方法で、家賃の回収もしてもらえるほか、賃料や礼金、敷金などをオーナーが自由に決められるというメリットがあります。
 
〇委託管理(サブリース契約)
サブリースとは転貸とも呼ばれていて、不動産会社に貸した物件を、不動産会社が貸主となって入居者にまた貸しする方法です。サブリース契約を締結すると、貸し出した不動産管理会社から毎月「保証賃料」を受け取ることができるため、空室を気にする必要がなく、毎月安定した収入を確保できます。しかしs賃料に関する裁量権は管理会社側にあるため、相場よりも賃料が低くなる可能性があります。

◎収支計画を立てよう

空き家を賃貸に出しても、固定資産税などの税金や火災保険などはかかります。これらをカバーするためにも家を貸し出して収入を得るわけですが、家の状態によっては貸し出す前にリフォームやメンテナンスをする必要がある場合もあります。さらに、家の設備が壊れたりして修理が必要になった際には、敷金でまかなえなければオーナーが修繕費を払うことになります。
 
賃貸に出す前に家の状態をしっかり確認して、今後どのような出費があるか予測を立て、事前にきちんとした収支計画を立てることが大切です。管理会社によって管理委託費も変わってくるので、いくつかの不動産会社を比較し慎重に委託先を決めましょう。信頼できる不動産会社なら収支計画の相談にも乗ってもらえたり、住民とのトラブルにも対応してもらえるので、不動産会社選びはとても重要です。
 
また、長期間貸し出すのか、自分が住むまでの一定期間だけ貸し出すのかによっても収支計画は変わってきます。数年だけの期間限定で貸し出すなら簡単なハウスクリーニングだけで貸し出せる場合もありますが、長期で貸すならリフォームが必要になることもあります。そのあたりも管理会社と相談して、実際に家を見てもらって決める必要があります。年間の家賃収入と、税金やリフォームにかかる支出を考慮して回収計画を立てましょう。

◎空き家を貸し出すための準備と手順


家を貸し出すことにはメリットとデメリットの両方があります。家賃収入を得ることは何より大きなメリットですが、ほかにも空き家を放置して劣化させるより、人が住んで適切に管理した方が家が長持ちするというメリットもあります。空き家を狙う泥棒や放火などのリスクも減らすことができるでしょう。
しかし、逆に人が住むことによって設備が消耗して故障してしまったり、床や壁などがダメージを受ける可能性もあります。また、場合によっては住民とのトラブルやクレームをつけられるといったリスクがあることも忘れてはいけません。家賃収入というメリットだけに気をとられずに、デメリットも良く考えたうえで賃貸に出すという決断をしてください。
 
〇まずは管理会社選びが大切
家を自主管理する場合は別として、委託管理する場合はまず不動産会社選びが重要です。上で書いたような「一般管理契約」「サブリース契約」なども含め、契約条件をよく確認し、委託管理費がどれくらいか、それには何が含まれるのか等、いくつかの不動産会社と話をして比較・検討することをおすすめします。
 
大事な自宅や実家の管理を任せるのですから、条件が曖昧なままで契約することのないよう、納得いくまで確認したり、話し合ってから管理会社を決めてください。「一括査定」などの便利な機能を利用することもできますが、最終的にはしっかり話を聞いて納得したうえで契約しましょう。
 
〇必要書類をそろえる
家を貸し出すには、「土地登記簿謄本」「建物登記簿謄本」「間取図」「本人確認書類」などさまざまな書類が必要になります。用意すべきものは管理会社が教えてくれるので、指示に従い提出してください。
 
〇条件面を整える
家を貸すには家賃の他にも、敷金・礼金の金額、管理費、更新料、火災保険の加入や種類などを決める必要があります。一般管理契約であれば金額は自由に設定することができますが、管理会社の意見も聞いて、相場に合わせるのが良いと思います。
 
〇内覧前には掃除を忘れずに
入居前には必ず内覧が必要となります。できるだけ生活感を出さない方が印象はよくなりますし、物も少ない方が契約率はアップします。家財道具などが残っている場合は、何をどのようにすればいいかを管理会社に相談し、整理すると良いでしょう。
 
〇場合によってはリフォームも検討
築年数や、家の状況によってはリフォームを検討した方が良い場合もあります。長期間貸し出すなら、リフォームに費用をかけても十分取り戻せる可能性が高くなりますし、設備が故障しているなら必ず修繕か交換が必要となります。特に水回りなどは、最新の設備に替えることで契約率はグッと高まります。

◎まとめ

急に実家を相続することになった、または転勤により家をしばらく空き家にすることになった、という場合、「賃貸に出す」という方法で空き家を管理することができ、さらに家賃収入も得ることができます。入居者のあてがある方や、自分ですべて管理できるという方は少ないので、ほとんどの方は管理会社に依頼するのが一般的な方法です。
 
「横浜ゼロ空き家管理」では、空き家の管理はもちろんですが、賃貸に出したいという時の管理会社選びから、リフォーム、家に残された家財道具の処分に至るまで、さまざまな面でお手伝いさせていただきます。