2025-02-26 文京区にある空き家の現状は?空き家の適切な管理と活用方法

◎緑豊かで落ち着いた住環境が人気の文京区
文京区は、多くの文化施設や教育機関が集中する文教地区として、よく知られている街です。区内には、根津神社や護国寺など由緒ある神社仏閣や、日本の学校教育発祥の地として知られる湯島聖堂などの教育機関が集積しています。夏目漱石や森鴎外が居を構えるなど、文豪ゆかりの地としても有名です。江戸時代に多くの武家屋敷が集中していた小石川・小日向エリアには多くの旧大名庭園が残り、都心にいながら自然も感じられます。閑静な住宅街が広がり、スーパーや医療機関などの生活に必要な施設も充実している地域です。
教育機関は、東京大学・日本医科大学・お茶の水女子大学などの大学や専門学校、都内有数の進学校が揃い、塾や予備校なども数多くあります。質の高い教育環境が整っているため、子育て世帯にも魅力的なエリアです。交通は、都内のどこへ行くにもアクセス抜群で、文京区のほとんどの地域が山手線の内側に位置しています。そのため、池袋・新宿・秋葉原といったターミナル駅に30分以内で到着できる、利便性の高い立地です。新幹線の止まる上野や東京駅にも近く、区内の移動にはバスと地下鉄が縦横無尽に走っているので、通勤・通学の時間短縮ができる点でも人気が高い街となっています。
◎文京区にある空き家の現状

文京区には、かつての財閥関係者や政治家の邸宅が多く、現在も高級住宅地としての風格を維持しているエリアがあります。交通の利便性が高く住環境のよさから年々人口が増加しており、今後もさらなる増加が見込まれる地域です。しかし、居住世帯がなく活用されていない空き家も存在しているのが現状となっています。2023年10月に文京区が発表した「文京区住宅白書」では、文京区の住宅総数における空き家率の推移を知ることができます。この調査によると、2013年は総数89,650戸の家屋に対して13,190戸と、空き家率が10%を超えていました。2018年の時点では、総数139,790戸の家屋に対して14,820戸で、9.5%となっています。空き家の戸数は増加しているものの、総数との割合では10%を切る結果となり、年々住宅総数が増加しているのに対して空き家率は減少傾向にあることがわかります。
文京区では、良好な住環境の維持・向上を目指した、住まいに関する住宅施策に取り組んでいます。2005年から2010年の住宅施策では、区内人口と住宅ストックの両方が増加したことにより、住宅供給から住宅ストックの活用へと方向転換されました。2011年以降は、マンションの管理不全や活用されていない戸建て住宅の空き家問題などが顕在化しています。近年は、「住環境維持向上施策」と呼ばれる、住宅市街地としての環境の維持向上を図る施策を主軸として取り組んでいる状況です。「住環境維持向上施策」は、住宅そのものや住宅を取り巻く市街地の機能・質などに着目した施策です。この施策のなかに「マンションの維持管理・再生支援」や「空き家対策」なども含まれています。文京区では、築28年以上の住宅のストック率が増加していますが、この20年間で1970年以前の住宅数は3分の1程度に減少しました。2001年以降に建築された住宅が約40%を占め、住宅ストックの更新が進んでおり、築45年以上の非常に古い住宅は、一定程度建て代わったものと推測されます。
文京区は、東京都やほかの特別区と比較して単身世帯の持ち家率が高いことも特徴です。高齢化が進むなかで、配偶者との死別などにより単身になったあとも、持ち家に住み続けているケースが考えられます。今後の後継者がいない場合や相続問題が発生した場合に、想定される将来的なリスクは空き家問題です。空き家は、しばらく人が住まずに管理をしない状態が続くと、老朽化で損傷が進み、建物倒壊の危険性や周辺の治安が悪くなる危険性があります。空き家を有効活用するためには、適切な管理の方法を検討することが大切です。
(参考:文京区「文京区住宅白書」https://www.city.bunkyo.lg.jp/documents/4518/20231025103126.pdf、
文京区「文京区住宅マスタープラン」https://www.city.bunkyo.lg.jp/documents/9466/siryou2minaosian.pdf)
◎文京区の空き家を有効活用する方法

文京区は、交通アクセスの良さと落ち着いた住環境や生活の利便性の両立が可能であることにより、居住区として人気のエリアです。文京区にある空き家を所有・管理している場合は、有効に活用するさまざまな方法があります。
〇賃貸での活用
空き家は、住みやすくリフォームすることで、賃貸として活用できます。空き家の設備が問題なく利用でき建物自体に損傷が少なければ、簡単なハウスクリーニングのみで、そのまま戸建て住宅として貸し出すことが可能です。人に住んでもらえるため、収入を得ながら建物の老朽化を防ぐことができます。土地に余裕があれば、更地にして駐車場にしたり集合住宅を建てて賃貸住宅として貸し出すこともでき、建物を手放さずに活用可能です。
文京区の人口は今後も増加するものと推計されており、2038年には約25.9万人と人口のピークを迎えると予想されています。単身・若中年夫婦・子育て世帯の約半数が今後10年程度で住み替えやリフォーム、建て替えなどを検討しているという調査結果も出ています。ライフスタイルやライフステージにおいて柔軟に対応できる、賃貸住宅の需要の高まりが期待できる状況です。
(参考:「文京区住宅白書」https://www.city.bunkyo.lg.jp/documents/4512/2024311145720.pdf)
〇売却での活用
固定資産税の支払いや建物を管理する手間をなくしたい場合は、空き家を売却するという活用方法があります。空き家の状態によって売却価格は大きく異なり、建物が使用できる状態で資産価値があれば、中古住宅としてそのまま販売が可能です。建物自体に資産価値がない場合でも、古家付き住宅として売却できます。建物を解体する手間やコストが省ける代わりに、売却価格が低くなることがデメリットです。資産価値のない建物を解体してから売却すれば、実際に解体にかかった費用を上乗せしても、売却価格が高くなる可能性が高まります。しかし更地にした場合、建物が建っていたときよりも固定資産税が高くなってしまうため、売却の可能性や解体の時期をよく検討することが必要です。不動産会社に直接買い取ってもらう方法もありますが、一般よりも売却価格が下がってしまう場合が多いため、まずは一般に売り出すことを検討してみるとよいでしょう。
〇地域での活用
ふるさとの地域の活性化を期待したりコミュニティの再生を願ったりする場合、建物を地域で活用してもらう方法もあります。空き家バンクは、空き家を活用して欲しい人と活用したい人をつなげるために、空き家の情報提供を行うマッチングシステムです。文京区では「空家等利活用事業」として空き家などの所有者と利活用希望者のマッチングを行なっています。また「空地等対策事業」は、管理不全で危険な状態にある空き地所有者の申請により区が審査を行う事業です。申請された空き家がすでに危険な状態で、跡地の行政利用が可能であると判断された場合、区から200万円を上限に解体費用を負担してもらえます。その後、区が所有者から10年間無償で借り受け、行政目的で使用するという取り決めです。補助金をうまく利用し、空き家が地域の交流の場に生まれ変わるよう活用することができます。
(参考:文京区「空家等利活用事業」:https://www.city.bunkyo.lg.jp/b032/p004648.html、
文京区「空家等対策事業」:https://www.city.bunkyo.lg.jp/b032/p004646.html)
◎ 空き家を管理して資産価値を保つ

突然の相続などにより相続人が複数いる場合などは、手続きが煩雑になり空き家の活用方法を決定するまでに時間がかかることがあります。誰も住んでいない状態のまま空き家を放置する期間が伸びてしまうと、さまざまなリスクが発生します。たとえば、建物の老朽化が進むことによる倒壊の危険、不審者の侵入や放火、周辺環境の悪化などです。
そのため空き家の所有者や関係者が定期的に訪問し、窓を開けて換気するなどの管理が必要になります。また庭の植木の管理や、水漏れがないか、カビが発生していないか、害虫や害獣が住み着いていないかなどのチェックが欠かせません。ときには、人の不法侵入などによる壁や床への落書きや損傷、ゴミなどの不法投棄がないかも確認が必要です。空き家においてこれらの管理を怠ると、庭の植木が近隣住民の土地や道路に侵入したり、不法投棄されたゴミのニオイなどの理由から、クレームに発展する場合があります。それだけでなく、地域の治安の悪化を招き犯罪に利用されるリスクも高まります。いざ活用できる時期が来ても、空き家の建物自体の資産価値が下がり、リフォームや建て替えで費用が高額になったり、売却価格が下がってしまうことも問題となります。
このようなリスクやトラブルを回避し有効に活用するために、空き家は適切に管理しておく必要があります。空き家の所在地が遠方で、多忙な毎日のなかで定期的な訪問と管理が難しい場合は、活用までの間に空き家の管理を業者に依頼することも可能です。空き家管理サービスは、屋外からの点検だけでなく、屋内の空気の入れ替えや通水・清掃などの管理作業も行っています。必要なサービスを予算に合わせて組み合わせ、専門業者による定期的な訪問により空き家の状態を良好に保つことで、資産価値の維持に役立ちます。
◎文京区の空き家管理サービスなら「横浜ゼロ空き家管理」

横浜ゼロ空き家管理は、横浜市を中心に東京都や神奈川県にある空き家を管理するサービスです。空き家の管理だけでなく、地域の不動産会社として将来的に賃貸・売却・リフォーム・解体など有効活用に関する相談も承っています。最小限の点検管理から、室内を含めた清掃・郵便物の回収・庭木の確認など、ニーズや予算に合わせて作業時間や訪問頻度などを選択できます。自然災害にも対応しており、災害が発生した場合は追加費用無料で駆けつけて、点検作業を実施しています。空き家の建物管理は、信頼と安心が求められるサービスのため、作業は自社のスタッフが行います。
◎まとめ
東京都の中心にあり、居住エリアとして人気の高い文京区でも、活用されていない空き家の数は14,000戸ほど存在しています。文京区のような交通アクセスが良好なエリアなら、空き家の有効活用が可能な場合が多いです。さまざまな事情で活用までに時間がかかる空き家でも、建物を適切に管理しておくことで資産価値を保てます。文京区の空き家管理サービスに関するご相談は、横浜ゼロ空き家管理までお気軽にお問い合わせください。