2025-03-12 突風による空き家倒壊のリスク!被害を防ぐための対策方法とは

◎突風によって空き家が倒壊する危険性
誰も住んでいない空き家は、放置したままにしているとさまざまなリスクが生じます。リスクのひとつが、自然災害による被害です。通常であれば問題ないように見える空き家であっても、災害が起きると思ってもいないような被害が出てしまう場合があるため、注意しなければなりません。注意すべき自然災害には、地震や水害などもありますが、空き家とその周辺まで巻き込む危険があるのが突風です。台風は、年によっては何度も発生することもあり、大型の台風も増えています。台風による突風が発生すると、空き家が倒壊してしまう危険性もあります。
台風と定義されるひとつの基準が、最大風速17.2m/s(34ノット)以上という数値です。気象庁では、台風の強さを、強い台風、非常に強い台風、猛烈な台風という3つに区分しており、強い台風は、最大風速が33m/s(64ノット)以上44m/s(85ノット)未満の台風を指します。風速20m/s(約72km/h)以上の風が吹くと、看板やトタン板が外れはじめ、細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れはじめるなどの被害が出る可能性があります。また、非常に強い台風は、最大風速が44m/s(85ノット)以上54m/s(105ノット)未満の強さの台風とされています。風速40m/s(約144km/h)以上の突風は、家屋の一部損壊や、大規模な建物被害を引き起こす可能性があるほどの危険な強さです。さらに、猛烈な台風は最大風速54m/s(105ノット)以上の台風と定義され、甚大な被害をもたらす恐れがあります。
突風が発生すると、突風による直接的な被害が出るだけでなく、飛ばされた飛来物によって多くの被害が出てしまいます。近隣にあるほかの家屋から瓦や建材などが突風によって吹き飛ばされ、それが当たって破損する事例は数多くあります。また近隣に植えられていた樹木や電柱などが突風で倒れて、空き家に当たって損傷するという場合もあります。そのような場合、空き家自体が倒壊するほどの被害ではなかったとしても、破損部分から雨漏りなどが発生すると、家屋の劣化につながってしまいます。また所有している空き家が被害を受けるだけでなく、突風で空き家から飛んだものが近隣住民の家屋に被害を与えてしまうこともあるため、注意が必要です。突風によって空き家が損傷したり倒壊してしまうと、建物の修理費用や片付け費用が発生し、近隣に被害を与えれば損害賠償費用も負担しなければならない場合があります。
(参考:気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html)
◎空き家が突風で倒壊しやすい理由

築年数が古い空き家や木造の空き家などは、建物の強度が弱い場合が多いため、とくに突風による倒壊に注意しなければなりません。また、誰も住んでおらず管理されていない空き家は老朽化しやすいため、劣化が進んで建物の強度が弱くなっている場合もあります。人が住んでいないと、定期的な空気の入れ替えや清掃などが行われなくなります。そうすると、建物内に湿気がたまり、カビが発生しやすくなります。カビは、建材として使用されている木材の腐食につながり、木材の強度を低下させて建物全体の耐久性を弱めてしまうのです。このような状況を発見できないまま、修理されずに放置状態になっていると、さらに老朽化が進んでしまいます。空き家が老朽化していると、突風が発生したときの倒壊のリスクが高まります。
また外壁や屋根なども劣化するため、外側の塗装や防水材が剥がれて、そこから雨漏りしてしまう場合もあります。雨漏りが放置されていると、カビや劣化の原因となって建物の強度が弱まり、突風に弱くなってしまいます。木造で建てられた空き家であれば、シロアリが発生している場合もあります。シロアリは、柱や梁などを食べて浸食してしまうため、建物の耐久力を下げて突風などの災害によって建物が倒壊しやすい状態にしてしまいます。
◎突風による被害を防ぐための対策方法

災害が発生すること自体は避けられませんが、突風による倒壊などの被害を最小限にするために、事前に対策できることがあります。
〇劣化状況を定期的にチェックする
まず、突風で倒壊する原因となるような劣化がないか、空き家の状態を確認しておくことが大切です。とくに屋根や外壁の状態を点検してください。瓦やタイルがずれていないか、ひびわれや亀裂がないかチェックしましょう。雨漏りの原因となるような塗装の剥がれがないか、防水性能が維持できているかも確認しておくなら、劣化による突風の被害を未然に防げます。点検していて必要な箇所が見つかったなら、すぐに補強や補修を行って突風に備えましょう。窓のがたつきや割れ、ひびなども雨漏りの原因になる場合があるため、点検が必要です。また、排水溝や雨どいなどに落ち葉やゴミなどが詰まっていると、上手に排水できなくなるので、定期的な点検と清掃を行いましょう。このような点検を欠かさずに行っているなら、空き家の老朽化を防いで建物の強度を保ち、突風などの災害が起きても倒壊しないように対策できます。
〇突風による飛散に備える
突風による倒壊に備えるための対策だけでなく、突風によって飛散するものがないようにする対策も、あらかじめ行っておく必要があります。そのような対策をしておけば、突風による飛散物で近隣に被害を与えたり、損害賠償費用を負担するリスクを避けられます。まずは、建物の外側に突風で飛ぶようなものがないかチェックし、あれば処分したり室内に移動させておきましょう。庭の鉢植えや置物なども危険です。ベランダにも物を置かないようにしてください。開閉する建材なども、突風が発生するとはずれて飛ばされる可能性があるため、あらかじめ固定しておく必要があります。また庭の植木なども、突風で倒れたり折れて飛ばされるリスクがないかチェックし、必要に応じて対策しておきましょう。
〇改修や解体を検討する
将来的に自分や家族が住む予定がないまま放置しているのであれば、改修や解体をして空き家の活用方法を検討することも、ひとつの対策となります。空き家を使用できる状態にリフォームし、賃貸として活用することができます。建物に住む人がいれば、必要な維持管理がされるため、突風などの災害によって倒壊する心配が少なくなります。また老朽化が進んで使用できない状況だったり今後活用する予定がないのであれば、解体もひとつの方法です。解体して建物自体がなくなれば、老朽化や突風による倒壊の心配がなくなります。更地にして土地として売却すると、買い手がつきやすくなる場合も多くあります。
◎空き家を適切に管理して突風に備える

今後の活用方法を決めて改修や解体などを行いたいと思っても、そうするために時間が必要な場合もあります。所有者が建物を残したいと希望していたり、相続の問題によって同意が得られないなどの状況があると、そのままにせざるを得ないかもしれません。そのような状況であっても、放置していると劣化が進み、突風による倒壊のリスクが高くなってしまいます。また管理されていない空き家は、空家等対策特別措置法によって特定空家として認定され、行政による措置の対象となる場合があります。特定空家は、劣化によって倒壊の危険性がある建物や景観を損なう建物など、近隣に被害や影響を及ぼしかねない空き家などが該当します。行政からの指導や勧告を受けないためにも、適切な管理が必要です。
突風による倒壊に備えた劣化状況のチェックだけでなく、空き家が劣化せずに良い状態を保てるように管理しましょう。定期的に訪問し、窓や押し入れの扉を開けて空気の入れ替えをしたり、ホコリ取りや掃き掃除などを行います。庭の植木を剪定したり、落ち葉の掃き掃除を行っておけば、雨樋の詰まりも防げます。遠方に住んでいる場合や仕事、介護などで毎日忙しくしていると、空き家の管理まで行えないという方も多いかもしれません。自分で管理するのが難しい場合は、空き家管理の代行サービスを活用することもできます。空き家を管理して老朽化を防げば、突風などの災害が起きても破損や倒壊を防ぎ、リスクを避けることが可能です。
◎地域密着型の空き家管理サービス「横浜ゼロ空き家管理」

横浜ゼロ空き家管理は、横浜市を中心として東京都や神奈川県エリアにある空き家の管理サービスを承っています。プランに応じて毎月決まった回数訪問し、屋外の清掃や点検、屋内の換気や清掃、補修箇所のチェックなどを行います。横浜ゼロ空き家管理では、通常の定期的な管理サービスだけでなく、災害時の無料巡回点検も実施しています。緊急点検を必要とする突風などの災害が発生した場合、現地に赴いて家屋や周辺をチェックし、状況を報告しています。とくに突風などが発生したあとは、遠くに住んでいると現地まで行くのが難しく、どのような状況かすぐに分からず不安を感じる場合が多いかもしれません。専門業者による巡回や点検を行ったあとは、管理レポートとして写真などを送付するため、突風の発生後も空き家の状況を確認でき、安心していただけます。
◎まとめ
台風などによる突風が発生すると、風速20m/s(約72km/h)以上の突風で屋根や外壁が破損する可能性があり、風速40m/s(約144km/h)以上の突風になると家屋が倒壊する危険も生じます。とくに、老朽化が進んでいる空き家は、倒壊による近隣への影響に注意しなければなりません。突風による倒壊を未然に防ぐために、建物の劣化状況や雨漏りなどを定期的に点検することが大切です。定期的な管理を行い、空き家の老朽化を防ぎましょう。